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輸入学問の功罪 この翻訳わかりますか?   

2018年 10月 30日

輸入学問の功罪 この翻訳わかりますか?/鈴木直/ちくま新書/2007

マルクス資本論、ドイツの哲学書の翻訳書と翻訳家を素材とする、逐次翻訳のあり方について問題提起した好著。
逐次翻訳については、原文と一対一の関係で翻訳することから生じる、日本語としての表現制約の問題を指摘している。
もう一つは、翻訳が、同業者である翻訳家の目を気にすること、読者層が労働者まで及ぶのか、学者レベルなのかによって、翻訳文が学術的になる傾向を問題視している。
さらに、著者は、資本論の翻訳については、逐次翻訳という手段が帝国大学教授のアカデミズムと結びついた権威として機能しているとしている。
つまり、資本論やドイツ哲学の翻訳が難解であるのは、アカデミックな権威を示す一環としてそうなっているという見方ができるのである。


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by seikouudokunohito | 2018-10-30 09:56 | 書評 哲学 | Comments(0)

記憶する力 忘れない力   

2018年 10月 29日

記憶する力 忘れない力/立川談四楼/講談社α文庫/2010

落語家が記憶というスキルの視点から述べたもの。落語家を目指す人は読むべき本。
一般社会的には、相容れない感覚で書かれている箇所もあり、一般人は無理に受け入れる必要はない。
弟子にしか教えないようなことを、よくここまで芸事の本質を正直に述べていることについて、感心して読まさせていただいた。


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by seikouudokunohito | 2018-10-29 09:51 | 書評 知的生産技術 | Comments(0)

キーワード検索がわかる   

2018年 10月 12日

キーワード検索がわかる/藤田節子/ちくま新書/2007

インターネットから精度の高い情報を得るための目的を持った人が読むべき本。
キーワードの選択には、全文キーワード法と統制キーワード法があるそうだ。


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by seikouudokunohito | 2018-10-12 12:01 | 書評 インターネット | Comments(0)

情報と国家  収集・分析・評価の落とし穴   

2018年 10月 07日

情報と国家  収集・分析・評価の落とし穴/江畑謙介/講談社現代新書/2004

インフォメーション、インテリジェンス、公刊情報、公刊インテリジェンスなど、公開情報をベースに情報収集、分析する人向けに、用語の定義、英語と日本語の意味の微妙な違いについて、詳述した新書にしては珍しい労作。
この方の著作には、手抜きがないことがわかる一冊。


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by seikouudokunohito | 2018-10-07 17:13 | 書評 軍事 | Comments(0)

戦国日本と大航海時代  秀吉・家康・政宗の外交戦略   

2018年 10月 01日

戦国日本と大航海時代  秀吉・家康・政宗の外交戦略/平川新/中公新書/2018


キリスト教宣教師と深く係わることを通じて、キリスト教禁教の一連の流れの中で、厖大な翻訳資料などから、長年謎とされてきた、秀吉による朝鮮出兵目的が当時の世界の強国スペイン・ポルトガルに対する対抗措置だったとの結論を導きだしている。

当時の日本が、強国だったスペインとポルトガルの人から見ても、軍事的に見劣りがしないということが、秀吉の呼称などから判断できるという指摘は斬新である。

また、当時の日本が禁教措置を執ったことを正当化するだけの見解を、歴史資料を読み解きつつ、導き出している。

歴史論文並の精度で歴史書としてまとめた、極めて有用な歴史書であり、歴史教科書は、この本を研究業績として認めるべきではないか。


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by seikouudokunohito | 2018-10-01 17:50 | 書評 歴史 | Comments(0)