ノムダス勝者の資格   

2012年 01月 07日

ノムダス勝者の資格/野村克也/扶桑社/1995

野村監督の本は、一時期ベストセラーになった。本書はその一冊であると記憶している。
最初に読んだ時は、指導者としてのウンチクが面白かったが、10年後改めて読み直してみて
、古今東西の名著のしっかり読んでいることが伺える内容であることに気がついた。

名将である前に、彼は読書家であり勉強家だったのだ。
そのうえで、監督として選手指導術を学びデータ分析をベースとするID野球を実践したに過ぎないのだ。
そして、忙しい最中、いったいいつ勉強されているのか?と思うのだ。

さて、野村監督は、政権交代後の自民党党本部主催の新年の会合でスピーチされたそうである。
http://www.youtube.com/watch?v=q2AnEdr9taY

こういう場面でのスピーチは非常に難しいことは常識でわかる話だが、社会を知らないと揶揄される野球選手だった方が、プライドが強い組織の聴衆を前にウンチクあるスピーチされることは、野球人として勲章と言えるだろう。

なお、この本の39~40頁に、素振りのやり方について書いた箇所があるので引用する。
他のスポーツにも当てはまるヒントがあるのではないかと思う。

-----------------------------------------------------------
にもかかわらず、四十本のホームランをコンスタントに打つ打者が一人も出てこないのは、最も基礎である「素振り」をやっていないからである。”衣食足りて苦しい基礎を忘れ”てしまったといえる。
私が二軍時代、施設は劣悪だった。フリーバッテイングで打たせてもらえるといっても一日に五本打たせてもらえるかどうかである。足りないぶんは”素振り”で補う以外にない。
もとより単純作業である。義務感でやっていればすぐに飽きて厭になる。そこで私は、ひと振りひと振り考えながらやった。ミートポイントを決め、「ブーン」ではなく「ブッ!」というシャープな音が出るまで振って振って振りまくったのだ。
この「ブッ!」という音、タイミングとパワーが合致しない限り、なかなか出ない。それでも何とかいい音を出そうと工夫しながら振りまくった。
気がつけば知らないうちに三百回、四百回振っているのである。マメの上にマメができた。そして、それが、自分は少なくとも振ることはクリアしたという自信につながっていった。
便利は弱い 不便は強い
器用は弱い 不器用は強い
ー今と昔の「素振り」への対応の違いからこんなことがいえると思う。
「素振り」は前述したように基礎だが、現代の選手には、基本はやっても基礎をやらないという共通の欠陥があるように思う。ひどいのになると応用しかやらないなんてのもいる。
[PR]

by seikouudokunohito | 2012-01-07 12:59 | 書評 スポーツ | Comments(0)

<< 人間における勝負の研究 意識革命のすすめ >>