修養   

2011年 12月 25日

修養/新渡戸稲造/タチバナ教養文庫/2002

新渡戸稲造が、雑誌「実業之日本」に連載された原稿を最初に出版化したのが本書である。
雑誌に連載された原稿は、家のお手伝いさんに読み聞かせ、「それでよくわかります。」と言うまで書き直したという逸話が残されている。
また、本書自警録の原書は、明治、大正、昭和にまたがる大ベストセラーを記録したとのことである。

さて、本書は、近代社会における自己実現のための、志のあり方、自己啓発のあり方、順境、逆境における心の持ち方、人としての処し方などで構成されている。

この手の本では、スマイルズの「自助論」が有名だが、内容的には、まったくひけをとらない内容となっている。
私は、「自助論」から読んでしまったが、今は、新渡戸稲造の本から読むべきだったと反省している。

新渡戸稲造の本は、「武士道」ばかりが有名だが、本書のように一般向けの教養書を執筆したり、無償の夜学校を経営したり、当時の教育界に大きな影響を与えた一人だった。
国際的には、英語、ドイツ語を駆使する国際連盟事務局長という肩書きも凄いが、昔の5000円札に顔写真が刷られるにふさわしい実力と実績を残した実に偉大な方だったのだ。

最後に、この本は、逆境にある方に特にお奨めしたい。おすすめできるだけの含蓄ある内容が書いてある。運が良ければの話にはなるが、立ち直りのきっかけにはなるだろう。
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by seikouudokunohito | 2011-12-25 14:19 | 書評 知的生活 | Comments(0)

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