大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇   

2011年 08月 28日

大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇/掘栄三/文春文庫/1996

大本営情報参謀として、フイリピンなどで情報参謀として活躍し、マッカーサー参謀と言われた若手情報参謀が戦後に書いた体験記である。
書いてあることは実に興味深く、そして、なぜ太平洋の島嶼での防衛戦でなぜ日本軍が玉砕という結果を招くことになったかを解説している。
この本に何カ所も、大本営の作戦参謀を批判する文言が出てくるが、これは作戦課における情報軽視の結果がもたらす戦略ミスを、現地軍がどうあがこうが取り返すことができないものであることを指摘している。批判している対象は、大本営作戦参謀だった、瀬島龍三だと思われる。
そして、海軍による戦況の報告が過大かつ曖昧な基準による申告であり、報告者の報告を鵜呑みにしていたことも暴露されている。
また、この時代において、戦闘が予定されているのであれば、この本を読むことで、凡そ、どういう軍編成とし、どの程度の装備を確保し、どの程度の補給が必要なのかという感覚は磨ける貴重な本であるが、現代において、そっくり同じ作戦が通用するとは思えない。
私は、戦争を賛美する者ではないが、戦うのであれば、どの時代においても合理的かつ戦略的であってほしいと願うばかりである。
なお、この本は、ネタの宝庫なので、この本から派生して何か書けそうな気がする一人であり、そういう意味でこの本は座右の書になりえるだろう。


この本に興味ある方は、下記引用サイトにて内容確認いただきたい。
http://www.c20.jp/text/he_daiho.html
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by seikouudokunohito | 2011-08-28 23:39 | 書評 軍事 | Comments(0)

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