カテゴリ:書評 知的生活( 14 )   

知的余生の方法   

2016年 08月 17日

知的余生の方法/渡部昇一/新潮新書/2010

渡部昇一が以前書いた、「知的生活」という本の余生本という位置づけのもの。
この本についての書評は、「知的生活」という名著を読んでいる人は本の価値を認める評価をしているのに対し、渡部昇一という人物を知らず、「知的生活」という本を読まずにこの本を読んだ人は、かなり辛口の評価となっている。

読んだ感想を述べたい。個人としては日本一の蔵書家である渡部昇一ならではの博学ぶりがうかがえるとともに、渡部昇一と似たスタンスでの生活を指向する人にとっては、渡部昇一はそうやっているのか、自分はこうやってきたということを対照比較する機会となる。
一方、この本の内容に批判的な人は、金を払って本を読んでいると認識する関係で、自分の知的生活姿勢を問うことなく、著者からノウハウを貪欲に得ようという気持ちが先走っているように感じられる。

現代社会は、情報が溢れている。ノウハウ情報はネットで検索すれば得られる時代だ。しかし、思索に係わる研究生活姿勢についてのノウハウについて知る機会は多くはない。
この本は、思索という習慣を持つ人にとっては極めて有益で、そういう習慣がない人には、退屈な本となるだろう。
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by seikouudokunohito | 2016-08-17 07:36 | 書評 知的生活 | Comments(0)

簡素な生活 一つの幸福論   

2015年 09月 02日

簡素な生活 一つの幸福論/シャルル・ヴァグネル著/大塚幸男訳、祖田修監修/講談社学術文庫/2001

フランス人で牧師だった人が書いた、修養書。
あとがきにこう解説がある。

「もはや何一つ失うものはないと思っているあなたは、他ならぬそのことによって、未だあなたに残っているものを失うことになるのです」と警告する。小さいと思える自分を大切にし、自分に出来ることに努力を怠らなければ、やがて人生は開けるものなのだと説く。思い当たるふしが多く、まことにその通りであろう。

この本の位置づけを一言で言い当てている表現だと思う。
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by seikouudokunohito | 2015-09-02 18:48 | 書評 知的生活 | Comments(0)

修養   

2011年 12月 25日

修養/新渡戸稲造/タチバナ教養文庫/2002

新渡戸稲造が、雑誌「実業之日本」に連載された原稿を最初に出版化したのが本書である。
雑誌に連載された原稿は、家のお手伝いさんに読み聞かせ、「それでよくわかります。」と言うまで書き直したという逸話が残されている。
また、本書自警録の原書は、明治、大正、昭和にまたがる大ベストセラーを記録したとのことである。

さて、本書は、近代社会における自己実現のための、志のあり方、自己啓発のあり方、順境、逆境における心の持ち方、人としての処し方などで構成されている。

この手の本では、スマイルズの「自助論」が有名だが、内容的には、まったくひけをとらない内容となっている。
私は、「自助論」から読んでしまったが、今は、新渡戸稲造の本から読むべきだったと反省している。

新渡戸稲造の本は、「武士道」ばかりが有名だが、本書のように一般向けの教養書を執筆したり、無償の夜学校を経営したり、当時の教育界に大きな影響を与えた一人だった。
国際的には、英語、ドイツ語を駆使する国際連盟事務局長という肩書きも凄いが、昔の5000円札に顔写真が刷られるにふさわしい実力と実績を残した実に偉大な方だったのだ。

最後に、この本は、逆境にある方に特にお奨めしたい。おすすめできるだけの含蓄ある内容が書いてある。運が良ければの話にはなるが、立ち直りのきっかけにはなるだろう。
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by seikouudokunohito | 2011-12-25 14:19 | 書評 知的生活 | Comments(0)

自警録   

2011年 12月 25日

自警録 心のもちかた/新渡戸稲造/講談社学術文庫/1982

あの武士道の著者だけあって、それなりに纏まっている。
この手の本については、三笠書房から西洋人の本が多く出版されているが、私は、西洋人のものよりは新渡戸稲造の方をおすすめする。

なぜなら、新渡戸稲造が生きた時代、アジア・アフリカは欧米列強の植民地だったのであり、大部分の西洋人、聖職者を含めて、植民地政策はもちろんアジア・アフリカの人たちを奴隷として扱ったことを謝罪せず、反省していないのであるから、我々同胞の本から読み進めるのは当然のことだと思うからだ。

そして、その最初は「神と獣類の間に立つ人」との見出しで始まっている。
我々は、西洋人だろうと日本人だろうと等しくそうなのだ。
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by seikouudokunohito | 2011-12-25 13:39 | 書評 知的生活 | Comments(0)

我が精神の遍歴   

2011年 12月 25日

我が精神の遍歴/亀井勝一郎

亀井勝一郎氏自身の精神の自叙伝である。
従って、亀井勝一郎個人およびこの著作に関心ある人のみ読めばいいのであって、仮に理解しにくい点があり読むのを途中でやめたとしてもがっかりする必要はない。

名著だとか評価する人がいても真に受ける必要はない。

単に自叙伝だと思えばよいのである。
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by seikouudokunohito | 2011-12-25 11:52 | 書評 知的生活 | Comments(0)

知的余生の方法   

2011年 11月 23日

知的余生の方法/渡部昇一/新潮新書/2010

知的生活の方法の余生版である。
内容は、知的生活の方法ほどではないが、古今東西の有名人のエピソードの紹介部分があり、この本でもそれなりに楽しませてくれる。

知的余生の方法では、南雲中将の真珠湾攻撃での話、岡崎久彦氏の執筆活動、江藤俊哉氏、ホロヴィッツ、ゼークト、チャーチル、西郷隆盛などいろいろある。
とりわけ、陸軍大学校、海軍大学校に関する話題は興味深かった。
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by seikouudokunohito | 2011-11-23 23:17 | 書評 知的生活 | Comments(0)

続知的生活の方法   

2011年 07月 12日

続知的生活の方法/渡部昇一/講談社現代新書/1979

「知的生活の方法」の続編である。
「知的生活の方法」は読書論を中心とする入門編、こちらは実践編である。

見出しは、こうなっている。
1.日本の知的生活の伝統
2.知的生活の理想像
3.仕事のしかたとライブラリー
4.知的独立について
5.知的生活と表現

中でも「日本の知的生活の伝統」だけはじっくり読んでおく価値があると思う。
我々の先人は、予想以上に偉大な存在だったことに驚かれるはずだ。
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by seikouudokunohito | 2011-07-12 18:17 | 書評 知的生活 | Comments(0)

知的生活の方法   

2011年 07月 12日

知的生活の方法/渡部昇一/講談社現代新書/1976

日本の知的生活者の重鎮、渡部昇一の知的生活の遍歴を紹介した本である。

楽しみながら書いているのが、読んでいてわかるのだが、読んでいてハッとする表現がない訳ではない。

「古典とは何か」(67頁)では、「あなたは繰り返して読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。それはどんな本だろうか。それがわかれば、わなたがどんな人かよくわかる。しかし、あなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家とは考えたくない。」とある。

その他気になる箇所は、「書斎の構想」(143頁)、「静かなる持続」(156頁)、「タイム・リミット」(158頁)
である。

書斎の構想では、時代の流行を先取りしたような間取りが載っている。間取りだけ眺めても飽きない。
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by seikouudokunohito | 2011-07-12 17:50 | 書評 知的生活 | Comments(0)

P・Gハマトンの知的生活   

2011年 05月 20日

P・Gハマトンの知的生活/Philip Gilbert Hamerton/渡部昇一、下谷和幸訳/三笠書房/1996

英国人ハマトンによるこの分野の古典的名著である。日本人による類似の著作は数多く出版されており、それらはこの本に触発されて書かれているといっても過言ではない。
ハマトンは読書、思索、絵画を愛し、人里離れた環境で、この本を執筆した。その割には、本書はビジネスマン向けに役立つ内容となっており、ハマトンのビジネス経験が少ないことを知れば、ハマトンの鋭い洞察力に今さらながら驚かざるを得ない。

この本は手紙形式で書かれているため、読みにくいと考える向きもあろうと思うが、読めば読むほどに味わいのある訳文となっており、訳者が若い頃から愛読書として接してきたとがうかがえる。

また、この手の本はどちらかというと男性向けの内容となることが多いが、人生観のみならずビジネス上のことや社会生活、家庭生活についても書かれており、女性に不向きとは必ずしも言えない。

人生の節目節目でこの本に触れ、自分の成長とこの本に書かれている内容を読む度に実感することが、この本の読書法であろう。

つなみに、筆者もこの著者に倣って、隠遁生活を試みる一人でもある。
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by seikouudokunohito | 2011-05-20 07:45 | 書評 知的生活 | Comments(0)

研究的生活の方法   

2011年 05月 20日

研究的生活の方法/鷲田小弥太/東洋経済新報社/1999

知的生活の入門書である。

時間がなくても金がなくても書斎がなくても知的生活は実現できるということを、鷲田氏個人の体験が立証している点がおもしろい。

どの学問分野であれ、おもしろい、興味がわくことが見つかることは、素晴らしいことである。そういう動機をどのように具体展開すればよいかを正直に書いてある点を評価したい
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by seikouudokunohito | 2011-05-20 07:43 | 書評 知的生活 | Comments(0)