カテゴリ:書評 エッセイ( 11 )   

渡部昇一エッセイ集 文明の余韻 アングロ・サクソン文明ノート   

2015年 06月 19日

渡部昇一エッセイ集 文明の余韻 アングロ・サクソン文明ノート/渡部昇一/大修館書店/1990

「英語教育」という月刊誌に渡部昇一が、「アングロ・サクソン文明落穂集」と題して、10年間寄稿した原稿を再編集した本。
英語雑誌ではあるものの、著者の気づき事項、気づきの視点がわかって面白い。
古本屋の話などは、参考になった。

日々こういう風に何か書き留める習慣を持ちたいものだと思って読まさせていただいた。
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by seikouudokunohito | 2015-06-19 15:59 | 書評 エッセイ | Comments(0)

美しい日本の私 その序説   

2015年 06月 09日

美しい日本の私 その序説/川端康成/講談社現代新書/1969

ノーベル賞受賞小説家、川端康成の受賞記念講演全文である。
内容的には、川端康成的視点で見た、日本文学の伝統などが、紹介され、自身の文学観を最後に示している。川端康成が描きたかった世界は、禅の精神を持った、日本の美、中でも日本人が抱き、継承してきた、日本人特有の心の美であり、
サイデンステッカー氏による英訳文も掲載されている。

川端は、講演にて、自身の受賞を、日本文学の受賞としてとらえ、また、日本の精神的美しさを紹介した点において、後に続く受賞者にとって、記念碑的存在であると私は思う。
このことは受賞後、ノーベル賞受賞作家の肩書で反日政治活動に勤しむ大江健三郎とは一線を画していることを意味する。
この講演録だけでも、素晴らしくかつ偉大な小説家がいたことの証明であると同時に、川端康成の遺書的文献であることを心に留めておくべきだろう。
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by seikouudokunohito | 2015-06-09 16:33 | 書評 エッセイ | Comments(0)

小泉八雲コレクション 虫の音楽家   

2015年 05月 30日

小泉八雲コレクション 虫の音楽家/小泉八雲/池田雅之/筑摩文庫/2005

虫にちなんだ、小泉八雲の秀逸なエッセイ集。
名作、虫の音楽家のほかに、日本の庭にて蝶、蚊、蟻、蛍などが収録されている。
翻訳文はそこそこ読みやすく、エッセイを書く人なら、こういう視点での書き方がある点において、参考となる点が多々あるように思う。
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by seikouudokunohito | 2015-05-30 07:05 | 書評 エッセイ | Comments(0)

教養の伝統について   

2015年 05月 07日

教養の伝統について/渡部昇一/講談社学術文庫/1977

渡部昇一による漱石論。漱石の留学時代の挫折などから話が始まる。
夏目漱石、ラフカデイオ・ハーン。一見、性格がことなる小説家が、実は、共にハーバート・スペンサーの影響を受けていると指摘している。
なお、渡部昇一は、一日千頁読破の計画を立て、数日間は実行したと書いてある。

以下は、本のPR文


日本の知性を、千年以上の永き歳月にわたって育んできた漢詩をはじめとする伝統的教養から。私たちはあまりにも遠く離れてしまった。そして、近代日本のめざましい発展がもたらしたこの伝統の断絶は、日本を知り且つ愛そうとする私たちに古き時代を見誤らせてきた。本書は、著者がこの教養の断絶を超えて漱石に迫り、彼の中に近代知性の病める姿を描き出した「漱石の漢詩論」他、読者に教養の意味を改めて考えさせる諸論考を収める。
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by seikouudokunohito | 2015-05-07 17:54 | 書評 エッセイ | Comments(0)

新編 日本の面影   

2015年 04月 29日

新編 日本の面影/ラフカデイオ・ハーン著/池田雅之訳/角川ソフィア文庫/2000

「しられぬ日本の面影」の翻訳アンソロジー本。

内容は以下。

東洋の第一日目
盆踊り
神々の国の主と
杵築ー日本最古の神社
子供たちの死霊の岩屋でー加賀の潜戸
日本海に沿って
日本の庭にて
英語教師の日記から
日本人の微笑
さようなら

この中で、「日本人の微笑」の翻訳は旨いと思う。
巻末に、略年譜と訳者解説がある。

失われた、古き時代の日本を知る手がかりとなるように思う。
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by seikouudokunohito | 2015-04-29 10:31 | 書評 エッセイ | Comments(0)

年刊・服部一民集〈1〉言霊辞典ノート   

2014年 05月 25日

年刊・服部一民集〈1〉言霊辞典ノート /服部一民/服部文庫/1973

詩集、エッセイの集合体のような本。
著者の持つ世界観のような存在を、言霊という言葉をタイトルの一部に選んで出版化したと考えればいいと思う。

著者は、本多勝一の「山を考える」を愛読しているそうである。
全般的に言えることだが、抽象語の羅列が多い。
「天皇制」という言葉を何度か使用していることから、たぶん著者は、左翼思想を持つアナーキストではないかと考えられる。
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by seikouudokunohito | 2014-05-25 17:38 | 書評 エッセイ | Comments(0)

山彦   

2014年 03月 29日

山彦/平泉澄/勉誠出版/2008

平泉澄氏の週刊誌連載エッセイを製本化したもの。
書かれた時期は、昭和三十五年~昭和四十六年と長期間に亘る。
稀代の歴史家が、戦後の世相をどのように捉えたか、書き遺した内容からわかる。
著者は、この本を贈呈用に使われたそうだ。たぶん、遺言のつもりだったのかもしれない。
旧仮名遣いについては、平泉澄氏が戦前に書かれたものと比較して、読みやすくなっている。

この本は、迅速かつ一気加勢ではなく、1日1テーマくらいのスピードで、ゆっくり読むことをお薦めしたい。
私は、そういうつもりで読んでいる。
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by seikouudokunohito | 2014-03-29 19:19 | 書評 エッセイ | Comments(0)

行動学入門   

2014年 03月 06日

行動学入門/三島由紀夫/文藝春秋/1970


偉大な小説家だった、三島由紀夫が雑誌等に連載されたエッセイの寄せ集め本。
行動学入門、おわりの美学、革命哲学としての陽明学の三部作で構成されている。

行動学入門はPocketパンチOh!
おわりの美学は女性自身
革命哲学としての陽明学は諸君
連載ものである。

あとがきで三島は

「まじめで良心的なのも思想だが、ふまじめで良心的という思想もあれば、又、一番たちのわるいのに、まじめで非良心的という思想もある。私はこの第三の思想にだけは陥りたくないと、日頃自戒している者である」と結んでいる。
この第三の思想とは、マルクス主義のことを指しているのであろうか?

さて、この本については、世代を越えて読み継がれそうな箇所が2箇所ある。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」小考
http://www2.ocn.ne.jp/~ichitubo/yomei/mishimakou.html

おわりの美学
http://vv-magazine.com/archives/21002853.html

新聞記事の劣化、歴史書の大半がいい加減な類のものばかりであることを知っているなら、こういう本をじっくり読んだ方がためになるはずだ。
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by seikouudokunohito | 2014-03-06 20:10 | 書評 エッセイ | Comments(0)

山河あり   

2013年 10月 20日

山河あり/平泉澄/錦正社/2005

平泉澄という、稀代の歴史学者が、戦後、職を辞し、全国行脚して説かれた講演内容を記録した本。
戦後の学者やマスコミがどう言おうと、どういう素性の人だったかという先入観を棄てて読むべきである。
平泉澄という学者が、どういう感性を以て、戦前、戦中、戦後を生きられたか、わかると思う。
全編読む必要はないが、関心ある部分だけでかまわないので一読されんことをおすすめする。
特に、143~149頁の徳富蘇峯先生の部分について目が開かれる思いで読んでいる。
68頁には、札幌・新潟向けの原爆を積んだ船が日本海軍の潜水艦によって沈められたという指摘がある。

それだけの内容がある本だと評価されるべき本であるのだ。


本の序文
http://www.kinseisha.jp/gif/sangafukkan.pdf

本のPR文

待望の名著復刊 正篇・続篇・続々篇の三点を一冊にして復刊
 平泉澄博士の祖国再興への熱い祈りが込められた書。
終戦と占領政策によつて、我国古来の伝統や精神文化は一気に挫折し或は衰退を余儀なくされた。
 本書には、戦後の混乱期にあつて時流にいささかも動ずることなく、節を守り貫く人々についての叙述が随所に見られる。そして、自然・風物の美しさと共に、自在に歴史上の人物を登場させ、その人物の真面目を躍動的に叙述してゐる。我が国の「国破れて山河あり」といふ現実を眼前にして、すぐれた古人への想ひがより一層切実なものとなつたためであらう。
 多くの人々が、勇気と誇りを取り戻した名著復刊なる。


かく書評がある。
http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%B1%E6%B2%B3%E3%81%82%E3%82%8A-%E5%85%A8-%E5%B9%B3%E6%B3%89-%E6%BE%84/dp/4764602660/ref=sr_1_4?ie=UTF8&qid=1382262836&sr=8-4&keywords=%E5%B1%B1%E6%B2%B3%E3%81%82%E3%82%8A

平泉先生が戦後、全国を行脚されて説かれた講演内容を全編記録した本である。平泉先生の歴史観を皇国史観などとふざけたレッテルを貼った輩がいたが、日本人の良いところを国史を交えながら如実に解いている。まぎれもなく稀覯本である。 


人物評
http://nozakitakehide.web.fc2.com/Hiraidsumi/
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by seikouudokunohito | 2013-10-20 19:26 | 書評 エッセイ | Comments(0)

煌く人間群像・珠玉の佳話58編 心に残るとっておきの話 第一集   

2013年 09月 16日

煌く人間群像・珠玉の佳話58編 心に残るとっておきの話 第一集/潮文社編集部/潮文社/1993

読んだ感想は、以下の書評とほぼ同じ。

新聞やテレビなどでは得られない情報ばかりである。

http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%83%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%80%88%E7%AC%AC1%E9%9B%86%E3%80%89-%E6%BD%AE%E6%96%87%E7%A4%BE%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%83%A8/dp/4806313505/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1379292514&sr=8-1&keywords=%E5%BF%83%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%A9%B1

5つ星のうち 5.0 これは本当に心に残る 2006/2/8
By ヴィト原石
形式:単行本 出版社が企画した佳話集に応募した総数764編から選んだ58の話を集めた本.17歳の学生から90歳の元海軍将校の人まで年齢や境遇のさまざまな人々の話が載せられている.58話の間につながりはない.ただ並んでいるだけである.新聞の投稿欄を読んでいる感じである.しかし、読者の年齢や境遇もさまざまであるから、どれかの文章に必ず捉えられるだろう.世に格言や名文句を集めた本は多い.「心に残る」というような題の本は、感動の押し売りみたいな感じがして、これまで本屋でも手にとることがなかった.しかしこの本の中の話は、いくつも心に残った.とくに「大きな10円玉」、「萩の曲」、「父の幽霊」が.
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by seikouudokunohito | 2013-09-16 10:52 | 書評 エッセイ | Comments(0)