カテゴリ:書評 小説( 17 )   

七帝柔道記   

2016年 06月 30日

七帝柔道記/増田俊也/角川書店/2013

小説形式で書かれているが、実は本当に書かれているとおりだったのではないかと思われる筆致の大学小説。
場面は、北大柔道部。体育会系のクラブとして七帝戦に勝ち抜くために、立ち技中心の講道館柔道を捨て、ひたすら寝技だけを磨く、部員たちの、柔道に賭けた学生生活を生き生きと描いている。
部員たちは、体格的に恵まれた一部を除けば、多くは柔道初心者、練習しても勝てず、報われず、それでも寝技中心で技を磨こうと、苦闘する柔道部学生たちの姿は、拝金指向の世相において、新鮮でさえある。

北大柔道部在籍者あるいは、柔道部の知り合いの書評が読める、アマゾンの書評も参考となるだろう。

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%83%E5%B8%9D%E6%9F%94%E9%81%93%E8%A8%98-%E5%A2%97%E7%94%B0-%E4%BF%8A%E4%B9%9F/dp/4041103428/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1467279458&sr=8-1&keywords=%E4%B8%83%E5%B8%9D%E6%9F%94%E9%81%93%E8%A8%98
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by seikouudokunohito | 2016-06-30 18:46 | 書評 小説 | Comments(0)

昭和天皇に背いた伏見宮元帥   

2015年 12月 18日

昭和天皇に背いた伏見宮元帥/生出寿/徳間文庫/1991


歴史小説の衣を纏った歴史書。
形態的には小説とした理由は、皇室批判することに伴う危険を察知したためと思われる。本書単行本刊行時(1987年)、まだ、終戦時の陸軍・海軍中枢の関係者が在命していたことを考慮したいのである。

さて、本書あとがきにて、東郷平八郎、伏見宮博恭、山本五十六に係わる肝心な真相は明らかになっていないと指摘している。
私もそう思う。著者は、完全ではないものの、その事に多くの人に気づいてもらおうとして、この本を書き上げたのだろう。
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by seikouudokunohito | 2015-12-18 06:26 | 書評 小説 | Comments(0)

骨董・怪談 個人完訳 小泉八雲コレクション   

2015年 05月 26日

骨董・怪談 個人完訳 小泉八雲コレクション/小泉八雲/平川祐弘/河出書房新社/2014

小泉八雲の作品、「骨董」、「怪談」の平川祐弘による完訳集。
注釈にかなりの頁数がさかれており、学術的に勉強したい人にとっては必携本的位置づけ。
文章的にも平易で読みやすく、著者の思い入れある仕上がりになっている感がある。
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by seikouudokunohito | 2015-05-26 16:58 | 書評 小説 | Comments(0)

小泉八雲名作選集 怪談・奇談   

2015年 04月 27日

小泉八雲名作選集 怪談・奇談/小泉八雲著/平川祐弘編/講談社学術文庫/1990

昭和五十二年に出版された、小泉八雲作品集全三巻の中から、怪談・奇談の代表作四十二編を収録し、新進の研究者の新訳を扱った好著である。

1耳なし芳一、2おしどり、3お貞の話、4乳母桜、5策略、6鏡と鐘と、7食人鬼、8狢、9轆轤首、10葬られた秘密、11雪女、12青柳の話、13十六桜、14安藝之介の夢、15宿世の恋、16因果話、17天狗の話、18和解、19普賢菩薩の伝説、20死骸にまたがった男、21菊花の約、22破られた約束、23閻魔の庁で、24果心居士の話、25梅津忠兵衛、26夢応の鯉魚、27幽霊滝の伝説、28茶碗の中、29常識、30生霊、31お亀の話、32蝿の話、33忠五郎の話、34鏡の少女、35伊藤則資の話、36美は記憶なり、37美の悲哀、38薄明の認識、39破片、40振袖、41夜光るもの、42ゴシックの恐怖

小泉八雲が怪談奇談を書く際に依拠した日本語原話のうち、ヘルン文庫に保存されているものは、巻末の付録に原拠として収録されている。
また、解説には、日本語原話の出典等が書いてあり、学術的にも満足できる本である。

アマゾンの書評サイトでは、研究者たちの秀逸な書評が多い。参考となるだろう。
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by seikouudokunohito | 2015-04-27 19:20 | 書評 小説 | Comments(0)

日本雑記他   

2015年 04月 19日

日本雑記他/小泉八雲著/平井呈一訳/恒文社/1975

霊の日本の中では、恋の因果。因果ばなしが、強烈な内容だった。
珍籍叢和の中では、和解、衝立の乙女、弁天の感応、鮫人の恩返しなどが面白かった。
奇談として、守られた約束、破られた約束が記憶に残った。

古き良き日本のことを思い出されてくれる作品を小泉八雲は見出したと、私は理解したい。

この本は、他の本と比較して字が大きく読みやすいのが特徴である。少々値段は高いが、その点は、了解したいものである。
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by seikouudokunohito | 2015-04-19 17:35 | 書評 小説 | Comments(0)

小泉八雲集   

2015年 04月 10日

小泉八雲集/小泉八雲著/上田和夫訳/新潮文庫/1975

小泉八雲の短編集中心。

守られた約束、破られた約束、忠五郎のはなし、おしどり、雪おんな、鏡の乙女、赤い婚礼、きみ子、人形の墓などが印象的だった。
訳者は解説にて、合理的な西洋近代ではない、霊的な日本の持つ美しさが小泉八雲の世界にあると評している。
そして、小泉八雲の「日本人の微笑」にて、八雲は「日本人はいつも微笑しつづけ、死に直面してもなお微笑する日本人の不可解さを指摘し、この日本人の神秘的な微笑を理解するためには、日本の古い、自然な、庶民の生活がわからなければならない」と訳者は引用している。
また、訳者は以下に引用している。

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この「日本人の微笑」を書き上げた直後、チェンバレンに宛てた手紙のなかで、『極東の精神』の著者バーシヴァル・ローエルにふれていう。ローエルは、日本人の性格として個性の欠除を指摘する。しかし、この個性の欠除といわれるものは、日本人の場合、きわめて意志的に自己抑制をはかった結果である。つまり、義務のための自己犠牲にほかならず、したがって「古い日本の文明は、物質的には後進国だが、それだけ道徳面では、西洋文明よりはるかに進んでいる」と断じているのである。

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by seikouudokunohito | 2015-04-10 19:09 | 書評 小説 | Comments(0)

日本の心 小泉八雲名作選集   

2015年 04月 01日

日本の心 小泉八雲名作選集/小泉八雲/平川祐弘編/講談社学術文庫/1990

短編小説、随筆等の名作を選んだもの。
訳文が、現代的文章に書き替えられているため、小泉八雲在命中の雰囲気ではない部分があるかもしれない。
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by seikouudokunohito | 2015-04-01 18:23 | 書評 小説 | Comments(0)

金閣寺   

2012年 01月 11日

金閣寺/三島由紀夫

二番目に読んだ文庫本であると記憶している。
シナリオが当時としてはとても特異なものであったと記憶している。

ただ、私は、この本を英語の長文読破、英作文勉強用の教材として使用した。
ペーパーバックの英文の金閣寺と読み比べるためである。

まず、英文から読み、その後で日本文を読んでみて同じ理解になるか比較してみたが、英訳の旨さのせいか、そう難しくはなかった。

それは、たぶん、三島由紀夫の日本語の文章力が優れている証なのだろう。
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by seikouudokunohito | 2012-01-11 14:22 | 書評 小説 | Comments(0)

生まれいずる悩み   

2012年 01月 11日

生まれいずる悩み/有島武郎


塾の先生にすすめられ、最初に読んだ文庫本である。
暗いという印象しか残らなかった。

今は青空文庫で読める。
青空文庫なら字の大きさの変更も随意である。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/1111_20600.html
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by seikouudokunohito | 2012-01-11 13:58 | 書評 小説 | Comments(0)

SF小説家 小松左京のこと   

2011年 07月 28日

SF小説家小松左京氏が平成23年7月26日亡くなられたそうだ。
ご冥福をお祈り申し上げる。

氏の小説は、奇想天外だった。
氏は、一時的共産党員だったそうだが、氏の経歴を調べてみると、小説家以外の活動は震災復興支援だったことが確認されている。
小説家の知名度を生かして反日政治活動やっている左翼小説家と比較すれば、小松左京は、小説家としての人生を全うしたことは評価していいだろう。(当たり前のことかもしれないが)

なお、隣の国韓国では、昔から“日本沈没”論を好むそうだ。この言葉の元祖ともいうべき小松左京の小説がすぐ翻訳出版され、同名の日本映画もすぐ輸入上映され、韓国のマスコミも「日本沈没!」という言葉を多用したそうだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9D%BE%E5%B7%A6%E4%BA%AC
日本共産党に入党して、山村工作隊など政治活動を行なっていたのもこの頃である(『京大作家集団』への入会も、『入会して会を乗っ取れ』という党からの指示によるものだったという)。だが、原爆を投下したアメリカに対する反感からの「反戦平和」を唱える共産党に共鳴しての入党であり(三高以来の親友が、印鑑を偽造し、小松の知らないままに入党届けを出したという)、共産主義思想を真に信奉してのものではなかった[12]。そのため、ソ連の原爆開発にショックを受け、共産党の活動に疑問を抱き、後に共産党を離党する[13]。
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by seikouudokunohito | 2011-07-28 19:42 | 書評 小説 | Comments(0)