河井道とボナー・フェラーズ 陛下をお救いなさいまし   

2015年 12月 15日

河井道とボナー・フェラーズ 陛下をお救いなさいまし/岡本嗣郎/集英社/2002

ボナー・フェラーズが行った、東京裁判に係わる事前工作、昭和天皇訴追回避に係わる方針に基づく、行動の数々の一端を、クリスチャン教育者である河井道の視点からまとめた、ノンフィクション本。
良書の部類にははいるものの、河井道の対応に注視すればするほど、本質が見えなくなる部分がある。
ボナー・フェラーズは職務上、昭和天皇訴追回避の前提で情報を集めシナリオを練り、そのシナリオが大丈夫かどうか、河井道に最後に尋ねた、ただそれだけの事である。
それを、河井道とボナー・フェラーズの間の友情云々に置き直して、美談と錯覚するから話がおかしくなる。
そういう冷静さが、この本を読むのに際して必要となる。
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by seikouudokunohito | 2015-12-15 10:28 | 書評 歴史 | Comments(5)

Commented by 15940420921 at 2015-12-16 18:17
中国の将軍孫立人について日本側の資料がありますか。なんでもいい。日中戦争中、特に1944年衡陽の戦いのとき、普通の日本軍の生活はどうなのか、それについての日記や資料がありますか。
Commented by seikouudokunohito at 2015-12-18 05:59
Wikipediaで「孫立人」で検索し、関連著書の紹介がなければ、文献史料的に、たぶん、ない?。その分野の日本人研究者が少ないことは事実です。なぜなら日本の歴史学者の95%が共産主義者だった時期があるからです。今はそうではないようですが、その弟子たちが学会を仕切っています。
言論人では、黄文雄が詳しいと思われます。全体を知るには、黄文雄の本を一通り読破する方が早いのでは?
1944年のことは、当時の新聞記事が読める図書館に行ってください。水間政憲の本は、新聞記事に掲載された、写真情報だらけですが、全体を把握できるでしょう。
Commented by 15940420921 at 2016-01-09 14:36
確かに、日本で左翼的な歴史学者が多いです。私は日本人書いた中国の歴史を読んでとても残念だと感じます。多くの事件は中国語から翻訳してそのままで書かれているからです。でも、例外もあります。たとえば宮脇淳子、岡田英弘など私は気に入ります。
資料をもう図書館に任せました。日本全国の図書館の本はインターネットで調べることができて便利です。それだけではなく、当図書館に欲しい本がない場合、ほかの図書館から取り寄せることができます、これは私にとって大変助かります。このようなことが中国で想像つきません。自分で探すしかないからです。
Commented by 15940420921 at 2016-01-09 14:40
黄文雄を以前知らなかった。来日して知っている。日本で結構人気があるようだ。本屋でずらっと並んでいる。
Commented by seikouudokunohito at 2016-01-16 16:53
中国関係の歴史学者では、岡田英弘、宮脇淳子は通史という位置づけで読んでおくべきでしょう。
黄文雄は、多作なのが問題。売り上げを伸ばそうと、書く前から結論をイメージしているところがあるように思います。類似本が多いのがひっかかります。
倉山満は、読んでおくべき価値があるでしょう。
なお、日本の歴史学者たち、特にマルクス史観の歴史学者は使いものになりません。歴史書を書ける学者がほとんどいない感じです。
日本の政界、官界、特に、財務省は、文系学者リストラを政策として打ち出し、文科省と論争になっています。いかに、日本の文系学者が日本にとって不要な存在かを示す象徴的な出来事ではないかと思います。

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