20世紀のファウスト上 黒い貴族がつくる欺瞞の歴史   

2015年 01月 16日

20世紀のファウスト上 黒い貴族がつくる欺瞞の歴史/鬼塚英昭/成甲書房/2010

それなりに、近現代史の歴史書を読んだ人にとっては、衝撃的な本である。
アマゾンの書評にて代用させていただく。

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世界を支配しているものは完全な気違いである
投稿者 ソウルマン 投稿日 2012/7/10
形式: 単行本
アヴェリル・ハリマンと黒い貴族が織り成す歴史の裏舞台を描いた大作である。
「価値ある箇所」と「疑問を感じた箇所」を記す。

<価値ある箇所>
*トルストイは日記の中で「世界を支配しているものは完全な気違いである、と確信している。」と書いた。
*1912年にハリマンは「スカル&ボーンズ」という秘密結社に入会した。1832年に創立されたこの結社は、ウィリアム・H・ラッセルの力添えによる。ラッセル家はアヘン戦争があった19世紀、髑髏と2本の大腿骨(スカル&ボーンズ)の旗を船に掲げて、大英帝国のためにトルコから中国などへと麻薬を運んでいた。この旗の図案は古代イルミナティのシンボルで、生贄儀式や秘密の言語で使われていた。テンプル騎士団もこの旗を使用している。このラッセル社の責任者ウォーレン・デラノ・ジュニアの孫がフランクリン・デラノ・ルーズヴェルト大統領である。
*20世紀の初頭、イルミナティ結社員により、サタン崇拝主義の結社「ピルグリム・ソサエティ」が創設された。ハリマンはこの結社の一員となる。
*ハリマンはナチスへの融資にダレス兄弟を利用した。兄ダレスがシュレーダー銀行、スタンダード石油の代理業務をこなし、弟はIGファルベンなどの企業を操った。1933年、J・ヘンリー・シュローダー商会のクルト・シュローダー男爵はヒトラーに次のように語っている。「天下国家の大目的をかなえていただくために軍資金が必要だと思う。ナチス党の全債務をこの際、われわれが一切合切、肩代わりさせていただいて、あなたは身軽になって、大奮戦していただきたい。そういう相談がまとまっているのです。」ロスチャイルドやハリマンたちはヒトラーに軍資金を与え続け、「乱」を起こさせようとしていたのである。
*アメリカの金融資本は、国家だけでなく、ドイツ最大の兵器産業クルップにも金を無制限に貸し出した。クルップはその金の一部をヒトラーに寄付した。また、ドイツのみならずソヴィエトにおいても銃器、弾薬の工場を建設した。スターリンは安価で武器や弾薬を手にし、ことのほか喜んだ。
*ロックフェラーのスタンダード石油は、スペインやラテン・アメリカでナチス・ドイツの船舶や潜水艦に燃料補給を続けていた。石油をナチス・ドイツに安全に充分に提供しないと戦争が始まらないし、長続きしないからである。
*ロスチャイルドは、レーニン、トロツキー、スターリン時代のソヴィエト経済の実質的支配者であった。「五ヵ年計画」は、ハリマンが中心となり、合法的マフィアが動因されてこそ生まれたものである。若きハリマンがマンガン鉱山を開発し、ロックフェラーが積極的に工業開発に参加した。
*17世紀のフランスの箴言家、フランソワ・ラ・ロシュフコーはこう書いている。「世に語られる歴史はほとんど嘘である」

<疑問に感じた箇所>
*「赤い楯」の広瀬隆も、ユダヤ人を論ずるときに「金」の面からしか見ようとしていない。だからクリミア半島にユダヤ人国家を建設しようとした計画が現実に存在したのに、まったく見えてこないのである。
*ホロコーストの道を指示したのはユダヤ王ロスチャイルドを中心とするユダヤ最高機関であったろう。何ゆえにか?「ユダヤ民族の受難」の中からユダヤ王国を建設するためであった。

この書に述べられていることは、大枠ではすでに理解している箇所がほとんどであったのだが、特に感銘を受けたのは、ロスチャイルド及びハリマン等の黒い貴族は、ドイツ・ソヴィエトには資金・石油等を与え続けたのに対して、日本に対しては、戦争以前は与え続けていたが、途中から全く提供しなくなったことだ。石油・鉄等、資源の無い日本が物理的にアメリカに勝てるはずがなかったのである。その日本を戦争に追い込んだのにも謀略があった。もちろん日本の中にも売国奴スパイがいた訳ではあるが・・・
疑問に感じたのは、広瀬隆の文書を無断で引用してるにも関わらず、批判しているところである。著者は、黒い貴族の陰謀を理解しているつもりのようだが、私にはそうは思えない。それは、「クリミアのカリフォルニア」としてパレスチナではなくクリミア半島にユダヤ国家を建設する計画があり、ほぼ実現するところであったが、ルーズヴェルト大統領が死亡したために白紙撤回されたと主張するが、アメリカ大統領が死亡しただけで、ロスチャイルド・イルミナティの野望が頓挫してしまうとは私には思えない。イルミナティは、当初から、ユダヤ人国家をクリミアではなくパレスチナに建設するつもりであったのだ。それは、ユダヤ人のためではなく、次なる戦争を起こすため、紛争が起こる土壌が彼らには必要だったのだ。その証拠としてイルミナティの最高幹部であったアルバート・パイクが1871年にジュゼッペ・マッチーニに送った書簡を紹介したい。「第二次世界大戦は、ドイツ国家主義者と政治的シオニスト(パレスチナ地方にユダヤ人国家を建設しようとする人々)の間の圧倒的な意見の相違の操作の上に実現されることになる。その結果、ロシアの影響領域の拡張と、パレスチナにイスラエル国家の建設がなされるべきである。」
過去の歴史を正しく理解しないと、再び彼らに騙される。歴史は全て創作である。
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「目からウロコ」の、とてつもない歴史の真実が語られた本である
投稿者 50代の会社員 投稿日 2010/3/19
形式: 単行本
鬼塚氏の『20世紀のファウスト』は、昨年、ウエブサイトからダウンロードして読んだ。長い本だったが、とてつもない本だと思った。
アヴレェル・ハリマンという世界権力の中枢にいた人物を描くことを通して、第一次大戦から、第二次大戦後のある時期までのことを、
入手可能なさまざまな客観的資料で裏づけながら、抉り出している。
アヴレェルの父、エドワード・ハリマンは、日露戦争後に満州鉄道を共同経営しようと桂太郎首相に持ちかけたアメリカの鉄道王である。
もし、あの時に小村外相の反対がなければ、日本の満洲進出は、アメリカとの共同事業となり、その後の日米開戦も回避できたことだろう。
日本が日独伊の三国同盟に舵を切り、アメリカは米英ソ仏の連合によって対抗し、三国同盟側の敗北によって、戦後体制と冷戦構造が
生み出され、我々が生きてきた「20世紀」という時代が決定付けられたわけだが、この本は、そのような20世紀の歴史の裏側を、
恐るべき洞察によって見事に描ききっている。
いかなる形容を以ってしても、この本の凄さを語り尽くすことはできないが、学校教科書では到底知りえない世界史の真実がちりばめられた、
大変な労作である。我々が生きているこの時代の意味と枠組みを知りたい方には、「目からウロコ」の、最大のおススメの本である。

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20世紀の本当の歴史を知るには最適の著作
投稿者 papypapyhina 投稿日 2011/1/28
形式: 単行本
私は、自費出版の方を購入し、拝見したが、20世紀の本当の歴史を学ぶには、
最適の書と思った。今回、成甲書房からでたものは、自費出版より、
大幅に優れている。

・写真が大幅に増加
・キッシンジャーやブレジンスキーについての記述が追加
・引用の著作が巻末に記載されている

以上の理由から、自費出版をお持ちの方も、再度の購入を勧める。

内容も凄いが、引用された著作の多さにも驚かされる。

長い作品だが、誓って、損はしないです。

強く購入をお勧めいたします。
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by seikouudokunohito | 2015-01-16 05:16 | 書評 ノンフィクション | Comments(0)

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